田中和人 「GOLD SEES BLUE / 青い絵を見る黄金の僕」

2018年3月30日 - 4月28日

オープニング・レセプション:3月30日(金)18:00 - 20:00

Maki Fine Artsでは、2018年3月30日(金)より、田中和人 個展「GOLD SEES BLUE / 青い絵を見る黄金の僕」を開催致します。

田中和人は1973年埼玉県生まれ。明治大学商学部卒業後、会社勤務を経て渡米。2004年School of Visual Arts(ニューヨーク)卒業。現在、京都と埼玉を拠点に活動しています。これまで田中は、様々な角度から写真による抽象表現の新しい可能性を切り開く作品を発表してきました。主な展覧会として、個展「トランス/リアル-非実体的美術の可能性」(ギャラリーαM、2017年)など。コレクションとして「the amana collection」に作品が収蔵。パブリックアートとして「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」に作品が設置されています。

Maki Fine Artsでは4度目の個展となる本展では、金箔の透過光を用いて撮影した写真作品「GOLD SEES BLUE」を展示します。青い光のみを透過する金箔の性質を生かして、金箔をレンズのフィルターにして撮影された作品です。ブルーに包まれた色調と、部分的に金箔の反射光によるゴールドが混ざり、幻想的で朧げなイメージを作り出しています。撮影時に意図的に光を制限することにより、写真をより光に近づけ、イメージの抽象化を試みることで、写真と絵画の関係について探求しています。2009年に制作をスタートした「GOLD SEES BLUE」は、これまでは森の中の風景をモチーフとしてきましたが、本展では友人や家族を撮影したポートレート作品を加えた新作を発表します。ぜひご高覧ください。

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「GOLD SEES BLUE / 青い絵を見る黄金の僕」
田中和人

9年前のある日、直感的にこれはフィルターになるだろうと思い、金箔をレンズに貼り付けた。黄金色の写真を予測していた僕の予想ははずれ、その代わりに、そこには青い光に満ちた写真があった。

「GOLD SEES BLUE」は、こうして発見した金箔の性質(金箔は、黄金の光を反射し、青い光のみを透過する)を利用して作られたシリーズである。
2009年から2010年頃に集中的にこの方法で「森」を撮影した。光を制限し、光で空間そのものを着色することで、写真をドキュメンタリー性から解放できるのではないかと考えていた。それは、矛盾を孕んだ挑戦だった。

今、再びGOLD SEES BLUEに向き合っている。ドキュメンタリー性から解放された写真、という自分の言葉が、呼び起こされる。
取り組んだテーマは「ポートレート」。最も強くドキュメンタリー性に直結するテーマのひとつであり、だからこそ、取り組みたかった。まずは友人のアーティストに会いに行って撮影をした。それからさらに身近な家族を撮影し、その範囲を広げていった。これらの朧げな光につつまれた青いポートレートは、被写体を注意深く撮影した個人の肖像であると同時に、固有の個人から離れた、光そのものとしての、あるいは、粒子によるポートレートである。

この展覧会は、GOLD SEES BLUEのはじまりとしての風景写真と、その次のステップである肖像写真を同時に展示することで、写真が(あるいは僕自身が)宿命的にもつドキュメンタリー性と絵画への憧れを、新たに問うものである。

work image

田中和人 / Kazuhito Tanaka
"GOLD SEES BLUE"
2010
pigment print

work image

田中和人 / Kazuhito Tanaka
"GOLD SEES BLUE (Portrait)"
2018
chromogenic print