片山真妃「キュリー夫人年表」

2016年1月 9日 - 2月 7日

オープニング・レセプション:1月9日(土)18:00 - 20:00

Maki Fine Artsでは、2016年1月9日(土)より、片山真妃 個展「キュリー夫人年表」を開催します。

片山真妃は1982年東京生まれ、Maki Fine Artsでは初の展示となります。主に抽象イメージの絵画作品を発表していますが、そのモチーフとして特定の人物が設定されています。片山は、数字と色の組み合わせを決めた独自のカラーチャートに基づいて、モチーフとなっている人物の生年月日および命日と、その日の天候によって数値を色彩に置き換え、絵画化しています。
本展では、キュリー夫人と夫人に纏わる人々をモチーフとした「誕生日と命日」シリーズ、2枚のキャンバスの画面を接触させた「衝突」シリーズ、ドローイングなど、新作を中心に展示します。是非ご高覧下さい。

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保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)

絵画は、画家の身体の痕跡をとどめておくためにあるのではない。理由なんてない。緊張に充ち満ちたあの呪術めく場所を「己」に回収することなど許されているはずなどない、ただそれだけである。
いわば絵画は倫理的な存在なのだ。そのことに気づき、そうした場を守るために、あるいはその特性を示すために、自分なりの荒唐無稽な「システム」を導入しているのが、片山真妃である。
たとえば彼女は、絵画同士を文字通り衝突させる。あるいは、誰かの誕生日の日付と天候を、色彩を選択する根拠とする。さらには、会ったこともない他人の人生を、線条と色彩を折り重ねてゆく根拠とする。
「システム」が生み出す結果は、いわゆる「よい絵画」からずれてゆくこともしばしばであるようだ。辛い道行きである。それでも片山が進むことができるのは、絵画が、本来は触れ得ぬ「他者」を、あるいは見ることすらできない古の他者を、見て、触って、匂うことができるものへと「変換」してくれるからである。そこには「絵画の愛」とでも言うべきなにかがある。
その愛を認識した者たち、すなわち画家たちは、返礼として自らの愛を捧げることだろう。周囲からは、狂気を、あるいは滑稽さを帯びていると見えるほどの愛を。そして、触れ得ぬ他者を一挙に見えるようにすることへの欲望に貫かれた片山の「愛」は、誰よりも深い。

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bitecho インタビュー
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片山真妃 / Maki Katayama
"MarieCurie-Sklodowska(Madame Curie)18671107-19340704"
2015, Oil on canvas, 1167×910mm

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